技術情報
ダイカスト鋳造法
ダイカスト鋳造法とは、精密に造られた金型に、溶湯を高圧で注入する鋳造法です。溶湯圧入装置が、溶湯保持炉中にあるか否かによって、ホットチャンバ式とコールドチャンバ式に区別されますが、当社はコールドチャンバ式を採用しています。
ダイカスト鋳造法
ダイカスト鋳造法とは、精密に造られた金型に、溶けたアルミ(以下溶湯)を高圧で充填する鋳造法です。溶湯圧入装置が、溶湯保持炉中にあるか否かによって、ホットチャンバ式とコールドチャンバ式に区別されますが、当社はコールドチャンバ式を採用しています。
当社のダイカスト鋳造法では以下のような技術を提供いたします。
無加工(加工レス)でコストダウンと金型費用の早期償却
加工レスとは、通常、加工仕様となるベアリング穴やオイルシール穴、合わせ面等を金型の精度を高めることで、ダイカストの高い再現性を利用し、無加工とする技術です。加工レスにすることで、機械加工費の削減、金型費用の早期償却などの実現が可能です。
真空ダイカストで品質の向上と不良率の低減
真空ダイカストとは、型内を真空及び減圧した状態で鋳造する方法です。当社での製品内のガス量は形状により約5cc/100gAlを可能とします。この方法では空気の巻き込みの抑制や湯回りが改善されるなど、モレが少なく内部組織の緻密な製品の製造が可能となり、素材納入品質の向上、不良率の低減などの実現が可能です。
お客様のニーズにあった材料で対応
現在、国内でアルミダイカストの生産量の約95%がADC12という合金で造られています。当社ではADC12を中心に生産を行っておりますが、現在は耐食性を目的としたADC3、靱性を目的としたADC6を使用していますので、お客様のニーズに合った材料での対応が可能です。
砂型鋳造法
砂型鋳造法とは、鋳物砂でつくられた鋳型にアルミ溶湯を流し込み、冷却の後にその鋳型を壊して製品を取り出すという鋳造法です。当社では生砂型鋳造法と自硬性鋳造法を採用しています。
砂型鋳造法
砂型鋳造法とは、鋳物砂でつくられた鋳型に溶湯を流し込み、固まった後にその鋳型を壊して製品を取り出すという鋳造法です。当社では生砂型鋳造法と自硬性鋳造法を採用しています。
当社の砂型鋳造法では以下のような技術を提供いたします。
製品の一体化でコストダウンの実現
砂型鋳造法は一般的に、複雑形状鋳物の製造に適しているといます。2個以上の部品で構成されるような製品を一体化した場合、形状が複雑になりますが、当社では複数のシェル中子を使用した製造を可能とします。一体化することで部品点数や組立工数の削減によりコストダウンの実現が可能です。
中子とは?
鋳物の空洞部分を作るために鋳型の中にはめ込む砂型
量産向きの生砂型鋳造法と大型鋳物の自硬性鋳造法
生砂型鋳造法は、砂にベントナイト等の粘結材と水分を加えた砂を用いる製法で、砂を押し固める方法のため鋳型製作のサイクルが早く、30~100個/日の量産品の製造に向いています。
もう一つの自硬性鋳造法は、液状の樹脂と硬化剤を用いて化学反応により、常温で時間経過によって鋳型を硬化させるプロセスであり、熱やガスを用いないため、型の大きさに制限のない大型の鋳物や試作品の製造が可能です。
1個の試作品から2,000個の量産品まで対応
砂型鋳造法は、量産前の試作品や、小ロット品の生産に向いていますが、上記製法を用いて当社では現在、1個の試作品から2,000個/月の量産品まで対応しています。
金型鋳造法
金型鋳造法とは、鋳鉄や耐熱合金鋼でつくられた鋳型で成型する鋳造方法です。アルミ溶湯を高圧・高速で注入するダイカスト法とは異なり、溶湯のみの重力で鋳造するため金型重力鋳造法とも呼ばれます。
金型鋳造法
金型鋳造法とは、鋳鉄や耐熱合金鋼でつくられた鋳型で成型する鋳造方法です。溶湯を高圧・高速で注入するダイカスト法とは異なり、溶湯のみの重力で鋳造するため金型重力鋳造法とも呼ばれます。
当社の金型鋳造法では以下のような技術を提供いたします。
耐圧と強度に優れた金型鋳造法
金型鋳造法は砂型鋳造法に比べ、凝固時の冷却スピードが速く内部組織が緻密になる為、工作機械やエアブレーキなどの耐圧性を必要とする製品や、自動車のボディや建設機械などの強度、高靱性を必要とする製品などの製造に向いています。
中子の使用で自由度の高い鋳物の製造
砂型鋳造法と同様、シェル中子を使用することで製品を一体化することができ、部品点数や組立工数の削減によりコストダウンの実現が可能です。
多材質生産で必要な材質・数量に対応
当社の金型鋳造法では、溶解量280kg~450kgの複数のるつぼを用いて生産が可能です。また、鋳造機は汎用設備でレイアウト変更も容易にでき、お客様のニーズに合わせて必要な材質や数量での対応が可能です。
各種鋳造法比較
当社では、ダイカスト鋳造法、砂型鋳造法、金型鋳造法を採用しています。下記表は各鋳造法を比較したものになりますので、参考までにご覧ください。




※上記内容は、あくまで目安となるものであり、製品・型形状によって変動いたします。