第23回ダイカストと金型重力鋳造の違いについて

第23回
ダイカストと金型重力鋳造の違いについて

公開日:2024年07月18日
更新日:2024年11月28日

当社保有の鋳造工法の内、ダイカストと金型重力鋳造との違いについてのお問合せをよくいただきます。

今回はダイカストと金型重力鋳造の違いについて説明いたします。

 

1.ダイカストと金型重力鋳造の違い

ダイカストは圧力をかけて金型内に溶湯を流し込む鋳造方法です。

圧力をかけて金型内に流し込む為、高精度で複雑な形状に対応できることがメリットとなります。

精度が高い為、加工部位を削減することができ加工費用の低減ができます。

半面、空気を巻き込んでしまう為、製品内部にガス欠陥が発生しやすいことがデメリットです。

金型内の内部冷却により溶湯が急冷される為、硬度が高くなります。

圧力をかけて金型内に溶湯を流し込む為、溶湯が乱流しガスを巻込んだ状態で凝固し、靭性が低く引張強さは高くありません。

ダイカスト製品

 

金型重力鋳造は圧力をかけずに重力のみを利用して溶湯を金型に流し込む鋳造方法です。

溶湯を重力のみで流し込む為、空気の巻き込みが少ない高気密な製品が生産できることがメリットとなります。

熱処理追加により機械的性質も向上させることが可能です。

圧力をかけていない為、湯流れに苦慮することがあり薄肉製品には不向きな点がデメリットです。

金型により溶湯を急冷させる為、ダイカストと同様に硬度が高くなります。

ダイカストと違い溶湯を流し込む際にガスの巻込みが少なく、組織が緻密となり、靭性が高く引張強さも向上します。

ダイカスト製品

 

2.工法選定ポイント

・大量生産したい

・製品コストを低減したい

・複雑な形状を素材で成形したい

・加工部位を削減したい

 ⇒ダイカストを選定

 

・少量で生産したい

・金型費用を低減したい

・鋳造欠陥の発生を抑えたい

・製品強度を上げたい

 ⇒金型重力鋳造を選定

 

各工法・材質の機械的はこちらをご確認ください。

 

3.提案事例

とあるお客様より下記内容にて御見積りの依頼がありました。

・数量は月産2,000ヶ

 →ダイカスト・金型重力鋳造共に対応可能。

・金型費用は償却ではなく別予算

 →ダイカストは金型費が高額となるが別予算の為、製品単価を抑える提案実施。

・製品強度が必要

 →強度が必要であれば金型重力鋳造一択。

  機械的性質を上げる為、材料AC4CH+T6熱処理の提案を行う。

金型重力鋳造で提案し、無事にお客様のご要望通りの製品を納入することができました。

 

工法選定でお悩みの場合はホームページよりお問い合わせください。

お客様のニーズをヒヤリングさせていただき工法を提案させていただきます。

当社鋳造情報はこちら

 

今後も鋳造に関する情報を発信いたしますのでお気軽にお問合せ下さい。

光軽金属工業株式会社

光軽金属工業株式会社 編集部
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