第36回
材料の溶解について
公開日:2025年10月21日
更新日:2025年10月21日
今回は材料の溶解について説明いたします。
1.溶解とは
固体の金属(アルミ亜鉛などの合金)を熱で溶かして液体(溶湯)にすることです。
2.各工法の溶解方法
いずれも溶湯を使う鋳造法ですが、それぞれの溶解条件が少しずつ異なります。
➀ダイカストの溶解
使用合金:主にアルミニウム合金(ADC12など)
炉 種:溶解炉(ガス炉または電気炉)・保持炉
溶解温度:約700~750℃
鋳造温度:約680~720℃
②金型鋳造の溶解
使用合金:アルミニウム合金(AC4C、AC4Bなど)
炉 種:坩堝(るつぼ)炉(加熱方式:ガス・電気・石油など)・反射炉・傾斜保持炉など
溶解温度:約730~780℃
鋳造温度:約700~750℃
③砂型鋳造の溶解
使用合金:アルミ(AC2A、AC4Cなど)や鉄・銅など幅広い
炉 種:坩堝(るつぼ)炉(加熱方式:ガス・電気・石油など)・反射炉・誘導炉など
溶解温度:約730~780℃(アルミ)
鋳造温度:約700~750℃
3.溶解炉の違い
➀個別溶解炉
特徴としては、各マシンが独立して運転することが可能です。
各炉へスクラップ(返り材)・新材を投入し溶かします。
<メリット>
合金の切り替えが容易です。
機械停止時にも他ラインに影響しません。
<デメリット>
各炉毎に燃料・電気のコストが発生します。
溶解炉毎の品質にばらつきが出る可能性があります。
②集中溶解炉
特徴としては、大量に溶かし、パイプや自動ラドルで各保持炉に送ることが出来ます。
<メリット>
溶湯品質が安定(温度・成分を集中管理)します。
作業の省人化・省力化が可能です。
<デメリット>
合金切替えが困難(全ラインに影響)です。
供給トラブルが起こると全マシンが止まるリスクがあります。
今後も鋳造に関する情報を発信いたしますのでお気軽にお問合せ下さい。
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