第28回特殊ダイカスト法の種類について

第28回
特殊ダイカスト法の種類について

公開日:2024年12月28日
更新日:2025年01月10日

今回は特殊ダイカスト法の種類について説明いたします。

1.真空ダイカスト

 金型内の空気を金型外に逃がすことで金型内を真空状態にするダイカスト法です。

 真空状態の金型へ溶湯を圧入することで空気の巻込みは発生しにくくなり巻込み巣の発生を防止します。

 また、金型内のガスも金型外に逃がすことにより湯流れが阻害されなくなり、湯回り対策にもなります。

 金型内の空気を金型外へ逃がす減圧装置バルブが必要となりますので、金型費用としては通常より高くなります。

真空ダイカストについてはこちら

2.無孔性ダイカスト(PF法)

 溶湯の圧入前に、キャビティ、湯道、スリーブ等の空間を活性ガス(主として酸素)に置換しておく特殊ダイカスト法です。

 鋳造品の内部に微細な空気やガスが閉じ込められることにより、品質不良に影響します。

 気孔を最小限に抑え、品質の良い製品を製造するための方法です。

 しかし普通ダイカストに比べ、サイクルタイム(生産時間)が長くなります。

3.スクイズダイカスト

 溶湯を注入後、追加圧力を加え、製品が固まるまで高圧を加え続けます。

 溶湯充填時の速度は超低速の為、ガス欠陥(巻き込み巣)が少なく鋳物が密度の高い均一な構造になる鋳造法です。

 専用の設備が必要となり、初期投資が高くなる可能性があります。

4.局部加圧ダイカスト

 金型に溶湯を注入する際、キャビティの一部に局所的な圧力を加えるダイカスト法です。

 主に引け巣対策として使用されることが多く、特に精密部品や複雑な形状、強度が要求される部品に対して効果的です。

 専用の設備が必要となり、初期投資が高くなる可能性があります。

5.半溶融・半凝固ダイカスト法

 固体・液体が共存した状態で鋳造するダイカスト法です。

 ひけ巣の発生が少ない、金型寿命が長い、結晶粒が均一であるなどのが挙げられます。

 レオキャスティング法は、半凝固状態の金属を使用して鋳造方法です。

 チクソキャスティング法は、金属を部分的に固化させ、液体と固体が均一に混ざった状態(スラリー)を利用する鋳造法です。

 金属の温度管理や専用の設備が必要であり、導入コストが高くなる可能性があります。

6.アンダーカット成形法

 アンダーカットとは、部品の一部が鋳型や金型の開閉方向からは直線的に部品を取り出せない部分のことを言います。

 鋳造時後に取り出すことが可能な置き中子を用いて、アンダーカット部を成形する鋳造法です。

 アンダーカット形状が可能な砂型・金型鋳造などの工法に比べて、高い寸法精度、滑らかな鋳肌、鋳抜き穴の容易さなどが特徴です。

 中子製作によるコストアップ・中子の使用により金型の摩耗や劣化が早まる可能性がある為、メンテナンスが必要となります。

当社のダイカストについてはこちら

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光軽金属工業株式会社 編集部
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