第33回砂型法案について

第33回
砂型法案について

公開日:2025年07月15日
更新日:2025年07月15日

今回は砂型鋳造の方案について紹介いたします。

方案設計とは

鋳造で良品を安定して作るための鋳造方案の設計です。
以下では具体的にどんなことを考慮しなければならないのかを説明いたします。

1.型割り設計(パーティングライン)

製品を鋳型から抜きやすくするために、上下に分割する型割を設計します。
鋳型から製品を抜き取る為に、抜き勾配(傾斜)が設けられます。

注意点としては、主に以下4点が挙げられます。
・単純な割りにする(抜きやすくする)
・可能な限りアンダーカットにならないようにする(アンダーカットの場合は中子要)
・中子が必要な場合は設置しやすいようにする
・可能な限り中子が少なくなるようにする

2. 湯口・湯道系の設計

鋳造工程で良品を得るためにどのような湯流れにして、どの順番で凝固させるかという設計です。
湯 口:溶融金属を注ぎ込む入口。
湯 道:湯口から製品部や押し湯へ溶融金属を導く通路。
押し湯:凝固収縮による体積減少を補い、鋳造品内部の引け巣(ひけす)や引け割れの発生を防ぐための溶融金属溜まり。

3. 中子設計

中子とは、鋳物内部の空洞やアンダーカット形状を作るために使用される砂型の一部です。
一般的には、シェル中子と呼ばれる熱硬化性中子を使用します。
中子用の金型を用い、レジンコーテッドサンド(RCS)と呼ばれる樹脂でコーティングされた砂を型に吹き込み加熱して硬化します。

4. 鋳造品の品質

方案設計は品質にも影響します。
方案設計が不十分だと鋳造欠陥が発生しやすくなります。

指向性凝固の確保:中心から押湯側へ向かう自然な凝固流れを設計。
適切な湯流れ速度:速すぎると乱流、遅すぎると湯回り不良の原因に。
空気抜きの確保 :ガス巻き込みの防止。
解析の活用   :流動解析・凝固解析により事前に欠陥を予測・対策。

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光軽金属工業株式会社

光軽金属工業株式会社 編集部
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